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2025-09-21 21:00:00

今さら聞けない「健康経営」とは?企業の未来を創る、コストではない"投資"の始め方

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「最近、若手の離職が続いている…」 「従業員の腰痛や肩こりが原因で、オフィス全体の生産性が下がっている気がする…」 「福利厚生制度を導入してみたものの、あまり利用されていない…」

もしこのような悩みをお持ちでしたら、今回の記事は必ずお役に立てるはずです。

少子高齢化による労働力人口の減少が進む現代において、従業員一人ひとりの活力は、企業の成長を左右する極めて重要な要素です。こうした課題を解決する鍵として、今、「健康経営」という考え方が大きな注目を集めています。

しかし、「言葉は聞いたことがあるけれど、具体的に何をすればいいのか分からない」「福利厚生と何が違うの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな疑問にお答えすべく、「健康経営」の基本的な定義から、企業にもたらされる具体的なメリット、そして実践への第一歩までを、わかりやすく徹底的に解説します。この記事を読み終える頃には、健康経営が単なるコストではなく、企業の未来を創るための戦略的な「投資」であることをご理解いただけるはずです。

「健康経営」とは?その定義と、今なぜ注目されるのか

健康経営の基本的な定義を知っておこう

まず、健康経営の定義から確認しましょう。

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点でとらえ、コストではなく「投資」として戦略的に取り組むことを指します。

ここでのポイントは2つあります。

まず一つ目は、「経営的な視点」でとらえることです。従来の健康管理は、「福利厚生の一環」として、従業員の満足度向上のために行われることがほとんどでした。しかし健康経営では、従業員の健康を「企業の重要な資源」と位置づけ、その資源を最大限に活用して企業理念の実現や業績向上を目指すという、経営戦略のレベルで考えます。

二つ目のポイントは、コストではなく「投資」と考えることです。健康診断の費用やフィットネスジムの補助などは、会計上は「コスト(費用)」として計上されます。しかし健康経営では、これらの支出を、将来的に企業の生産性向上や企業価値の増大といったリターンを生み出すための「投資」と捉えます。目先の支出にとらわれるのではなく、長期的な視点でその効果を見据えることが重要なのです。

現代社会が抱える構造的な課題

健康経営という考え方が急速に広まっている背景には、現代の日本社会が抱える構造的な課題があります。

第一に、深刻化する少子高齢化と労働力人口の減少です。日本は深刻な少子高齢化に直面しており、それに伴う労働力人口の減少は、多くの企業にとって喫緊の経営課題となっています。限られた人材で高いパフォーマンスを維持し、企業として成長を続けていくためには、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、元気に長く働き続けられる環境を整えることが不可欠です。従業員の健康を守ることは、企業の存続そのものに関わる重要なテーマとなっているのです。

第二に、働き方の多様化と新たな健康課題の発生です。近年、リモートワーク(在宅勤務)が急速に普及しました。通勤の負担が減るなどのメリットがある一方で、「運動不足」「コミュニケーション不足による孤立感」「オンオフの切り替えが難しいことによる精神的ストレス」といった新たな健康課題が顕在化しています。

特に運動不足は、腰痛や肩こりを引き起こし、従業員の生産性を著しく低下させる要因となります。企業は、オフィス勤務か在宅勤務かにかかわらず、従業員が運動習慣を維持できるような仕組み(例えば、遠隔でのオンライン体操など)を提供する必要に迫られています。

第三に、「Well-being(ウェルビーイング)」な社会への関心の高まりです。Well-beingとは、身体的、精神的、そして社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。単に病気でないというだけでなく、一人ひとりが幸福で充実した人生を送れる社会を目指す考え方であり、持続可能な社会を実現する上での重要なキーワードとされています。

企業においても、従業員のWell-beingを向上させることが、仕事への熱意や創造性を高め、結果的に企業全体の成長に繋がると認識され始めています。健康経営は、まさにこのWell-beingな社会を実現するための具体的なアクションなのです。

健康は投資である!健康経営がもたらす5つの経営的メリット

健康経営を「投資」と捉えるべき理由を、企業が得られる具体的なメリットから詳しく見ていきましょう。

メリット1:生産性の向上で業績アップを実現

従業員の健康状態は、企業の生産性に直接的な影響を与えます。特に問題となるのが「プレゼンティーズム」と「アブセンティーズム」という現象です。

プレゼンティーズムとは、出勤はしているものの、心身の不調(例:腰痛、肩こり、疲労、メンタル不調など)が原因で、本来のパフォーマンスを発揮できていない状態のことです。一方、アブセンティーズムは、心身の不調による欠勤や休職を指します。

実は、ある調査によれば、プレゼンティーズムによる企業の損失額は、アブセンティーズムや医療費の数倍にものぼると言われています。つまり、目に見える「休み」よりも、「出社はしているが本調子ではない」状態の方が、企業にとっては大きな損失となっているのです。

例えば、デスクワーク中心の従業員が慢性的な腰痛を抱えていた場合を考えてみましょう。その従業員は毎日出社していても、痛みで集中力が低下し、通常なら2時間で終わる作業に3時間かかってしまうかもしれません。これが複数の従業員に及ぶと、企業全体の生産性は大幅に低下してしまいます。

健康経営によって従業員の健康を増進し、腰痛や肩こり、メンタル不調などを予防・改善することは、このプレゼンティーズムを解消し、組織全体の生産性を大きく向上させることに繋がるのです。

メリット2:従業員エンゲージメントの向上と人材の定着

「また若手が辞めてしまった…」という悩みは、多くの企業が抱える深刻な問題です。従業員が企業に求めるものは、給与や待遇だけではありません。特に若い世代は、「この会社は自分を大切にしてくれるか」「自分らしく健康に働き続けられるか」といった点を重視する傾向にあります。

企業が従業員の健康に投資し、積極的にサポートする姿勢を示すことは、「会社は私たちを大切にしてくれている」という従業員の安心感と信頼感に繋がります。これが従業員エンゲージメント(仕事への熱意や貢献意欲)を高め、離職率の低下、すなわち人材の定着に大きく貢献するのです。

実際に、ある製造業の企業では、工場内に簡単な運動スペースを設置し、勤務時間中に短時間の体操を取り入れたところ、従業員から「会社が自分たちの体のことを考えてくれている」という声が多く寄せられ、離職率が前年比で30%減少したという事例もあります。

メリット3:採用競争力の強化と企業ブランディング

健康経営への取り組みは、社内に留まらず、社外に対しても強力なメッセージとなります。求職者、特に優秀な人材ほど、企業の将来性や働きがいを吟味します。その際、従業員の健康や働きやすさに配慮している企業を高く評価する傾向にあります。

健康経営に積極的に取り組んでいることをアピールすることで、「従業員を大切にするホワイトな企業」というブランドイメージが確立され、採用市場における競争力を高めることができます。

特に、新卒採用においては、学生が企業選びの際に重視する要素として「働きやすさ」「健康への配慮」が上位に挙がることが多くなっています。健康経営の取り組みは、そうした優秀な人材を引きつける強力な武器になるのです。

メリット4:企業イメージの向上と社会的評価の獲得

近年、投資家が企業を評価する際には、財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)といった非財務情報を重視する「ESG投資」が世界の潮流となっています。従業員の健康や安全への配慮は、「S(社会)」の重要な要素です。

また、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人認定制度」のような仕組みも整備されています。このような認定を受けることで、顧客や取引先、金融機関、地域社会からの信頼が高まり、企業価値全体の向上に繋がります。

実際に、健康経営優良法人に認定された企業の中には、その認定をきっかけに新しい取引先との関係構築に成功したり、銀行からの融資条件が改善されたりしたケースも報告されています。

メリット5:医療費負担の軽減で長期的なコスト削減

従業員の健康状態が悪化し、生活習慣病などにかかる人が増えれば、企業が負担する健康保険料の増大に繋がる可能性があります。「健康診断の結果、いよいよ放っておけない…」「メタボの社員、どうにか行動してくれないかな…」といった課題は、放置すれば将来的なコスト増に直結するリスクをはらんでいます。

健康経営を通じて、食事指導や運動機会の提供を行い、従業員の生活習慣改善を促すことは、長期的に見て企業の医療費負担を抑制する効果も期待できるのです。

ある中小企業では、従業員向けの健康プログラムを導入した結果、3年間で健康保険組合への拠出金が約15%削減されたという成果を上げています。初期投資は必要ですが、長期的に見れば確実にリターンのある投資と言えるでしょう。

健康経営、何から始める?明日からできる実践への第一歩

「健康経営の重要性は分かった。でも、具体的に何から手をつければいいのか…」

ここからは、健康経営を実践するための具体的なステップと取り組み例をご紹介します。

STEP 1:現状把握 - まずは自社の「健康課題」を知ろう

何事も、まずは現状を正しく把握することから始まります。貴社の従業員がどのような健康課題を抱えているのかを知らなければ、効果的な施策は打てません。

健康アンケートの実施から始めてみましょう。仕事のストレス度、睡眠時間、運動習慣、食生活、肩こりや腰痛の有無など、匿名のアンケートで従業員のリアルな声を集めます。「正直に答えてもらうため」に匿名性を保つことが重要です。

次に、身体機能チェックの導入も効果的です。専門家による体力測定や姿勢のチェックなどを実施し、客観的なデータから身体的な課題を可視化します。「なんとなく疲れやすい」という主観的な感覚を、数値として見える化することで、課題が明確になります。

さらに、健康診断結果の分析も忘れてはいけません。健康診断の結果を集計・分析し、有所見率が高い項目や、メタボリックシンドロームの該当者・予備軍の割合などを把握します。

これらの結果から、「当社の課題は、長時間のデスクワークによる運動不足と、それに伴う腰痛持ちの多さだな」といった具体的な課題が見えてきます。

STEP 2:計画と目標設定 - 課題解決のための具体的施策

現状把握で明らかになった課題に基づき、具体的な施策を計画します。ここでは、様々な企業で導入されている取り組みの例をいくつかご紹介します。

運動機会の増進については、在宅勤務者向けの「オンライン体操」が非常に効果的です。始業前や昼休みに、専門トレーナーの指導によるオンラインでのストレッチや体操の時間を設けます。気軽に参加でき、運動習慣化のきっかけになります。実際に、ある企業では毎朝9時から10分間のオンライン体操を実施したところ、参加者の80%が「肩こりが改善した」と回答したという事例もあります。

また、「出張フィットネス・セミナー」も人気の取り組みです。オフィスにトレーナーを招き、会議室などで手軽にできるエクササイズ講座や、健康に関するセミナーを開催します。「わざわざジムに通う時間はないけれど、会社でできるなら参加したい」という従業員のニーズに応えることができます。

地域の健康イベントへの参加促進も良いアイデアです。例えば地域で開催される健康ウォーキングイベントなどに、会社として参加を呼びかけ、参加費を補助するのも効果的です。従業員同士の交流も深まり、一石二鳥の効果が期待できます。

ヘルスリテラシーの向上も重要な要素です。ヘルスリテラシーとは、健康に関する情報を正しく理解し、活用する能力のことです。従業員一人ひとりの健康意識を高めることが、健康経営成功の鍵となります。

「健康づくり研修」の実施では、食事、運動、睡眠、メンタルヘルスなど、テーマ別の研修会を実施し、従業員が自らの健康を管理するための知識を提供します。専門家による講義だけでなく、グループディスカッションを取り入れることで、参加者同士が健康について話し合う機会を作ることも大切です。

特に健康課題を抱える従業員に対しては、専門家がマンツーマンで生活習慣改善をサポートする「パーソナルコーチング(食事指導含む)」も効果的です。一人ひとりの生活スタイルに合わせた具体的なアドバイスを提供することで、確実な行動変容を促すことができます。

STEP 3:働きやすい環境の整備で根本的な改善を

健康経営は運動や食事指導だけではありません。働きやすい環境を整備することも重要な要素です。

長時間労働の是正は基本中の基本です。勤怠管理を徹底し、残業時間の削減に取り組みます。「残業が当たり前」という職場風土を変えることで、従業員の心身の健康を守ることができます。

休暇取得の促進も同様に重要です。有給休暇の取得しやすい雰囲気づくりや、計画的な取得を奨励します。「休むことは悪いこと」という認識を改め、「しっかり休んでパフォーマンスを上げる」という考え方を浸透させることが大切です。

コミュニケーションの活性化にも力を入れましょう。社内イベントや部活動支援などを通じて、部署を超えた交流の機会を創出します。良好な人間関係は、仕事のストレス軽減に大きく貢献します。

専門家と共に歩む健康経営 - 成功への近道とは

健康経営を自社のリソースだけで推進しようとすると、様々な壁にぶつかることがあります。

「福利厚生は導入したけれど、利用率が低くて形骸化している…」 「どんな施策が自社の課題に本当に有効なのか分からない…」 「従業員の参加意欲を高める方法が分からない…」

そんな時こそ、外部の専門家の力を借りることが成功への近道となります。

専門家が提供する価値とは

健康経営の専門家は、単に運動プログラムを提供するだけではありません。

まず、課題の抽出と分析において、アンケートや身体機能チェックの結果から、企業の潜在的な健康課題を専門的な視点で分析します。表面的な症状だけでなく、その根本原因まで探ることで、効果的な対策を立てることができます。

次に、オーダーメイドのプログラム策定では、分析結果に基づき、その企業の業種や働き方、従業員の年齢構成などに合わせた、最も効果的なプログラムを策定します。「他社で成功したから」という理由だけで施策を真似するのではなく、自社に最適化されたプログラムを作り上げることが重要です。

そして最も重要なのが、施策の実行と伴走支援です。健康経営は一度施策を導入して終わりではありません。従業員の参加を促し、習慣化するまで、専門家が連携しながら徹底的に伴走支援します。

例えば、健康経営アドバイザーや健康経営トレーナーといった資格を持つ専門家は、経営的な視点を持ち合わせているため、企業の経営課題にまで踏み込んだ本質的なコンサルティングが可能です。

ヒューマンフィットネス東浦の健康経営支援

私たちヒューマンフィットネス東浦では、健康経営アドバイザーの資格を持つトレーナーが、貴社の課題解決を徹底的に伴走支援します。

ご提供しているプログラムは多岐にわたります。

健康経営コンサルティングでは、経営課題のヒアリングから、健康経営計画の策定までトータルでサポートします。「何から始めればいいか分からない」という企業様にとって、最初の一歩を踏み出すための強力なサポートとなります。

オンライン運動プログラムは、リモートワーク中心の企業でも全社で取り組める運動機会を提供します。時間や場所に制約されることなく、従業員の皆様が気軽に参加できる環境を整えます。

出張フィットネス・セミナーでは、貴社に直接お伺いし、運動指導や健康研修を実施します。従業員の皆様が慣れ親しんだ職場環境で、リラックスして参加いただけます。

健康管理の伴走支援では、従業員一人ひとりの健康目標達成を継続的にサポートします。単発の研修で終わるのではなく、長期的な視点で健康習慣の定着を支援します。

まずは、貴社が抱えるお悩みをお聞かせください。専門家と連携し、貴社に最適なソリューションをご提案いたします。

まとめ:企業の未来は、従業員の健康と共にある

本記事では、「健康経営」について、その定義からメリット、実践方法までを詳しく解説してきました。

改めて要点を振り返りましょう。

健康経営とは、従業員の健康管理をコストではなく「投資」と捉え、経営戦略として取り組むことです。その背景には、労働力人口の減少や働き方の多様化といった社会的な課題があります。

健康経営は、生産性の向上、人材の定着、企業イメージ向上など、企業に多くのメリットをもたらします。これらは一時的な効果ではなく、長期的な企業価値の向上に直結する重要な要素です。

実践の第一歩は、現状把握から始まります。その上で、自社の課題に合った施策(運動機会の増進、ヘルスリテラシー向上など)を実行することが重要です。そして、成功のためには、健康経営アドバイザーのような外部の専門家と連携し、伴走支援を受けることが効果的です。

少子高齢化が進み、人材の価値がますます高まるこれからの時代、従業員の心身の健康は、間違いなく企業の最も重要な資本となります。従業員一人ひとりが健康で元気に働くことができる環境を整えることは、Well-beingな社会、そして持続可能な社会の実現に貢献する、企業の社会的責任とも言えるでしょう。

健康経営は、もはや一部の先進企業だけのものではありません。すべての企業が成長を続けるために不可欠な経営戦略です。

この記事が、貴社が健康経営への第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。「何から相談すればいいか分からない」という段階でも構いません。まずはお気軽にお問い合わせください。

健康経営の取り組みを通じて、従業員の皆様がより健康で活力に満ちた働き方を実現し、企業としても持続的な成長を遂げていただけることを心より願っております。

お問い合わせはTEL: 090-4264-6609まで、またはウェブサイトのお問い合わせフォームからもご連絡いただけます。