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なぜ従業員の健康は「コスト」ではなく「投資」なのか?企業成長を加速させる健康経営の真価
「また健康診断で引っかかった社員が出てしまった…」
「最近、若手の離職が続いている…」
「生産性がなかなか上がらない…」
このような悩みを抱えている経営者の方は少なくないでしょう。実は、これらの課題にはひとつの共通点があります。それは「従業員の健康」という要素が深く関わっているということです。
多くの企業では、従業員の健康管理を「福利厚生の一環」や「必要経費」として捉えがちです。しかし、これからの時代を勝ち抜く企業は、従業員の健康を「投資」として戦略的に取り組んでいます。
本記事では、なぜ健康経営が単なるコストではなく、企業の成長に直結する重要な投資なのかを詳しく解説していきます。健康経営の具体的なメリットから実践方法まで、経営者の皆様にとって有益な情報をお届けします。
そもそも「健康経営」とは何か?基本的な考え方を理解しよう
健康経営の定義と本質
健康経営とは、「従業員等の健康管理を経営的な視点でとらえ、コストではなく投資として戦略的に取り組むこと」を指します。これは単に健康診断を実施したり、福利厚生を充実させたりするだけではありません。
従業員の心身の健康を企業の重要な経営資源として位置づけ、その向上に投資することで、生産性の向上、組織の活性化、企業価値の向上を実現する経営手法なのです。
なお、「健康経営」という言葉は、NPO法人日本健康経営研究会の登録商標です。この概念は、アメリカの心理学者ロバート・H・ローゼンが提唱した「ヘルシーカンパニー」の考え方が基になっています。
なぜ今、健康経営が注目されているのか
現在の日本が直面している社会構造の変化を考えてみましょう。
少子高齢化による労働力不足の深刻化
日本の労働力人口は1995年をピークに減少し続けています。厚生労働省の推計によると、2040年には現在より約1500万人も減少するとされています。限られた人材で企業活動を維持し、成長を遂げるためには、従業員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮することが不可欠です。
働き方の多様化と価値観の変化
リモートワークの普及、フレックスタイム制の導入など、働き方は大きく変化しました。特に若い世代は、給与や昇進だけでなく、ワークライフバランスや職場環境の質を重視する傾向が強まっています。
実際に、当社が関わった企業の人事担当者からも「採用面接で福利厚生や健康支援について質問される機会が増えた」という声をよく聞きます。
企業の社会的責任の重視
ESG(環境・社会・ガバナンス)経営が注目される中、従業員の健康と福祉への配慮は、企業の社会的責任として重要視されています。健康経営は、持続可能な社会の実現に貢献する重要な取り組みとして認識されているのです。
健康経営と従来の福利厚生の違い
従来の福利厚生は「あったら嬉しい制度」という位置づけでした。一方、健康経営は「経営戦略の一部」として位置づけられます。
例えば、従来の福利厚生では「健康診断を実施する」ことが目的でした。しかし健康経営では「健康診断の結果を分析し、従業員の健康課題を把握して、具体的な改善策を実行し、その効果を測定する」ところまでがセットになります。
つまり、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善していく経営手法なのです。
あなたの会社は大丈夫?健康を「コスト」視点で見る企業の落とし穴
多くの経営者が抱える現実的な悩み
当社にご相談いただく経営者の方々から、よく次のような悩みをお聞きします。
「福利厚生は導入したけれど、利用率が低くて困っている…」
ある製造業のA社では、社員食堂を設置し、フィットネスクラブの法人会員も契約しました。しかし、利用率は社員食堂が30%、フィットネスクラブに至っては5%という状況でした。
経営者は「せっかくお金をかけたのに…」と頭を抱えていました。このような状況は珍しくありません。制度を導入しただけで満足してしまい、従業員のニーズや利用しやすさを考慮していないケースが多いのです。
「最近、生産性が落ちているように感じる…」
IT企業のB社では、長時間のデスクワークにより、多くの社員が腰痛や肩こりを訴えていました。「みんな出勤はしているけれど、なんとなく元気がない」「以前と比べて集中力が続かない社員が多い」という状況でした。
これは「プレゼンティーイズム」と呼ばれる現象です。プレゼンティーイズムとは、出勤しているものの、心身の健康問題によって本来のパフォーマンスが発揮できていない状態を指します。
「健康診断の結果が年々悪化している…」
建設業のC社では、健康診断で要再検査・要精密検査の社員が年々増加していました。特にメタボリックシンドロームの該当者・予備軍が全体の40%を超える状況でした。
経営者は「個人の問題だから」と考えていましたが、実際には現場での作業効率の低下や、将来的な疾病リスクの増大という深刻な経営課題を抱えていたのです。
課題を放置することの深刻なリスク
これらの課題を「仕方がない」「個人の問題」として放置すると、企業にはどのようなリスクが生じるのでしょうか。
生産性の継続的な低下
プレゼンティーイズムによる生産性の損失は、欠勤による損失よりもはるかに大きいことが研究で明らかになっています。東京大学の研究によると、プレゼンティーイズムによる生産性損失は、欠勤による損失の約3倍にものぼるとされています。
人材流出の加速
健康管理に配慮しない企業は、特に若手人材から敬遠される傾向があります。転職理由の上位に「職場環境の改善」が常にランクインしていることからも、その重要性がうかがえます。
医療費の増大
従業員の健康状態が悪化すると、企業が負担する健康保険料も増加します。また、重篤な疾患で長期休業する社員が出れば、代替人員の確保や業務の引き継ぎなど、直接的・間接的なコストが発生します。
企業イメージの悪化
「社員を大切にしない会社」というイメージが定着すると、採用活動や取引先との関係にも悪影響を及ぼします。特にSNSが普及した現在では、企業の内部事情が外部に伝わりやすくなっています。
健康は「投資」である!企業成長に直結する5つの具体的リターン
リターン1:生産性の劇的な向上
健康経営による最も直接的で大きなリターンが、生産性の向上です。
プレゼンティーイズムの改善事例
当社が支援した運輸会社のD社では、ドライバーの腰痛対策として、定期的な運動指導と職場環境の改善を実施しました。その結果、6か月後には以下の成果が得られました。
- 腰痛を訴える社員が70%から25%に減少
- 配送効率が15%向上
- 事故・トラブルが30%減少
「体の調子が良くなると、仕事に集中できるようになった」「以前より疲れにくくなった」という声が多く聞かれました。
集中力と創造性の向上
適度な運動習慣は、脳の機能を活性化させることが科学的に証明されています。運動により分泌されるBDNF(脳由来神経栄養因子)は、記憶力や学習能力を向上させる効果があります。
チームパフォーマンスの向上
個人の健康状態が改善されることで、チーム全体の雰囲気も良くなります。疲労やストレスが軽減されると、コミュニケーションが活発になり、協力的な職場風土が醸成されるのです。
リターン2:人材の定着率向上と採用競争力の強化
離職率の大幅改善事例
IT企業のE社では、健康経営の取り組みを開始してから、離職率が劇的に改善しました。
- 取り組み前:年間離職率18%
- 取り組み後:年間離職率7%
特に、入社3年以内の若手社員の離職率が大幅に改善されました。「会社が自分たちの健康を気にかけてくれている」という実感が、エンゲージメントの向上につながったのです。
採用活動での差別化
健康経営の取り組みは、採用活動においても強力な武器となります。当社が支援している企業の人事担当者からは、「求人サイトで健康経営の取り組みを紹介したところ、応募者数が30%増加した」という報告もいただいています。
従業員満足度の向上
健康経営に取り組む企業では、従業員満足度調査の結果が継続的に向上する傾向があります。これは、会社が従業員を大切にしているという実感が、仕事へのモチベーション向上につながるためです。
リターン3:企業価値とブランドイメージの向上
外部評価の獲得
経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」や「健康経営銘柄」の選定は、企業の社会的評価を高める重要な指標となっています。
認定を受けた企業では、以下のような効果が報告されています。
- 取引先からの信頼度向上
- 金融機関からの融資条件改善
- 株価や企業価値の向上
顧客・取引先からの評価向上
BtoB企業においても、健康経営への取り組みは取引先選定の重要な要素となりつつあります。「従業員を大切にする企業は、顧客も大切にしてくれる」という認識が広がっているためです。
メディア露出の機会増加
健康経営の先進的な取り組みは、メディアからも注目を集めやすく、結果的に企業の知名度向上につながります。
リターン4:リスクマネジメントと医療費の適正化
将来の疾病リスクの予防
生活習慣病の予防は、将来的な重大疾患のリスクを大幅に軽減します。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な疾患の原因となります。
実際の医療費削減事例
製造業のF社では、健康経営の取り組みを3年間継続した結果、以下の成果が得られました。
- 一人当たりの年間医療費が平均15%減少
- 長期休業者数が60%減少
- 健康保険組合の収支改善
業務継続性の確保
従業員の健康状態が良好であることは、業務継続計画(BCP)の観点からも重要です。感染症の流行時にも、健康な従業員が多い企業ほど事業継続能力が高くなります。
リターン5:組織の活性化とコミュニケーション促進
部門を超えたコミュニケーション
健康経営の取り組みは、部署や役職を超えた交流の機会を提供します。当社が支援している企業では、全社でのウォーキングイベントや健康セミナーを通じて、普段接点のない社員同士が交流する機会が生まれています。
チームビルディング効果
共通の健康目標に向かって取り組むことで、チーム結束力が高まります。「一緒に汗を流す」という体験は、信頼関係の構築に大きく寄与します。
イノベーションの促進
多様な部署の社員が交流することで、新たなアイデアや改善提案が生まれやすくなります。実際に、健康経営の取り組みをきっかけとして、業務改善や新商品開発につながった事例も数多く報告されています。
今日から始める!効果的な健康経営の実践ステップ
ステップ1:現状把握と課題の明確化
健康経営を成功させるためには、まず現状を正確に把握することが重要です。
健康診断データの詳細分析
単に健康診断を実施するだけでなく、その結果を詳しく分析しましょう。以下の点に注目してください。
- 年代別・部署別の健康状態の傾向
- 経年変化の把握
- 生活習慣病リスクの分布
- ストレス度合いの測定
従業員アンケートの実施
健康に関する意識調査を行い、従業員のニーズを把握します。
- 現在の健康状態への自己評価
- 健康に対する関心度
- 運動習慣や食生活の実態
- 会社に望む健康支援の内容
職場環境のチェック
物理的な職場環境も健康に大きく影響します。
- 照明・温度・湿度の適正性
- 机や椅子の高さ調整状況
- 休憩スペースの充実度
- 喫煙・受動喫煙対策の状況
ステップ2:具体的なプログラムの導入
現状把握ができたら、具体的な改善策を実施しましょう。
運動機会の提供
当社では、企業のニーズに合わせて様々な運動プログラムを提供しています。
オンライン運動プログラム
リモートワークが増えた現在、オンラインでの運動指導が注目されています。当社のオンライン体操は、1回15分程度で手軽に参加でき、多くの企業で好評をいただいています。
出張フィットネス&セミナー
プロのトレーナーが直接企業に出向き、運動指導を行います。職場の環境に合わせたプログラムを提供できるため、参加者の満足度が高いのが特徴です。
タバタトレーニング
立命館大学の田畑泉教授が開発した科学的根拠に基づく高強度インターバルトレーニングです。短時間で高い効果が期待でき、忙しいビジネスパーソンに最適です。当社では田畑教授をお招きしたセミナーも開催しており、参加者から高い評価をいただいています。
健康教育・啓発活動
健康づくり研修
従業員の健康リテラシー向上のための研修を実施します。生活習慣病の予防、ストレス管理、栄養バランスなど、幅広いテーマで対応可能です。
健康情報の発信
社内報やイントラネットを活用した健康情報の定期発信も効果的です。当社では、企業向けの健康情報コンテンツも提供しています。
個別サポートの充実
パーソナルコーチング
個人の健康状態や目標に合わせたマンツーマン指導を行います。特に生活習慣病のリスクが高い社員や、健康意識の高い管理職の方に好評です。
食事指導
栄養士による食事指導も重要な要素です。社員食堂のメニュー改善から、個人の食生活アドバイスまで幅広く対応します。
ステップ3:継続的な支援と改善
健康経営は一時的な取り組みではなく、継続的な改善が必要です。
専門家による伴走支援
当社では「本質的な健康経営を徹底伴走支援」をモットーに、導入から効果測定、改善提案まで一貫してサポートしています。
健康経営アドバイザーや健康経営トレーナーといった専門資格を持つスタッフが、企業の課題に合わせてカスタマイズしたプログラムを提案し、実行を支援します。
定期的な効果測定
プログラムの効果を定期的に測定し、必要に応じて内容を調整します。
- 参加率・継続率の追跡
- 健康データの変化
- 生産性指標の改善度
- 従業員満足度の変化
成功事例の共有
他社の成功事例や最新の健康経営トレンドを共有し、継続的な改善につなげます。
まとめ:健康経営は企業の未来を創る最強の投資戦略
ここまで、なぜ従業員の健康への取り組みが単なる「コスト」ではなく、企業成長に不可欠な「投資」であるのかを詳しく解説してきました。
少子高齢化と労働力人口の減少という避けられない社会変化の中で、企業が持続的な成長を遂げるためには、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが絶対条件です。
健康経営による投資効果は、生産性の向上、人材の定着、企業価値の向上、リスクマネジメント、組織の活性化という5つの側面で具体的なリターンをもたらします。これらは短期的な費用対効果だけでは測れない、企業の未来そのものを創り上げるための戦略的な投資なのです。
重要なことは、健康経営を単発のイベントとしてではなく、継続的な経営戦略として位置づけることです。そのためには、専門家のサポートを受けながら、自社の課題に合わせたプログラムを段階的に導入し、効果を測定しながら改善を続けることが必要です。
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